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ごあいさつ


義肢装具を通じて社会貢献を

坂井 一浩

一般社団法人日本義肢装具士協会
会長 坂井一浩

義肢装具ユーザーと義肢装具士

国家資格として認められた医療福祉専門職の中でも、義肢装具士は"もの"を通じて患者様や障害者の方々へサービスを提供するという特徴をもっています。ここでいう"もの"には、義手や義足に代表される義肢だけでなく、身体の機能障害を補う装具や靴、車いすや座位保持装置などが含まれます。これらは福祉用具の中でも特に、からだの機能や形、ニーズなど、個々のユーザーがもつ多様な条件に合わせて提供されるものです。使用目的によって違いはあるものの、ユーザーの方々は活動時間の大半を義肢/装具を直接身につけてお過ごしになる訳ですから、それらの良し悪しは、果たしてその方の機能障害の改善だけでなく、日常生活動作や生活の質にまで影響することになります。

協会の目的

義肢装具士によって構成される当協会は、設立後20年を経て2013年春には一般社団法人化され、社会的な責任を負った有資格者の団体として新たな門出を迎えることになりました。当協会の目的は、義肢装具士の資質の向上及び知識・技術の研鑽に努めると共に、義肢装具をはじめとした福祉用具の普及・発展を図り、国民の保健・医療・福祉に寄与することです。

これからの協会

これらの目的を形にするために、まずは個々の会員が専門職として、生涯にわたって技能を高め続けることが必要です。そこで協会には、これまでの研修プログラムをさらに体系化・専門化した『生涯学習プログラム』の構築が求められています。体系化されたプログラムによって、学習者(会員である義肢装具士)には義肢装具を体に合わせる技術の伝承がなされるだけでなく、対象者の評価から装着訓練、フォローアップに至るまでの、いわば義肢装具によるトータルケアのノウハウを身につけることができるようになります。

また、プログラムを通じて、ロボット工学に代表される日進月歩のテクノロジーや新しい概念を常に更新してゆくことも重要になります。"専門化"に関していえば、ある特定の分野に精通し、秀でたスキルをもつ"認定義肢士"や"認定装具士"を協会としてご紹介できるようになれば、当該ユーザーの方々への福音になるのではないでしょうか。

学術的な側面でも更なる発展が望まれます。協会が年に一度開催する学術大会、各支部で行っているケース・スタディー報告会、定期学術誌『POアカデミージャーナル』などを、今後も多くの臨床家や研究者が日頃の成果の発表の場として活用されることを希望しています。義肢装具の研究対象は他の医療分野のそれに比べて母数としては多くなく、従ってケース・スタディーは一例一例の積み重ね"証拠"として重要です。協会としましてはこれらのデータを集約することによって"科学的根拠に基づいた義肢装具"をお示しできるようになると考えております。

また、このようにしてユーザーの方々を知ることは、当協会のもう一つの目的である「義肢装具をはじめとした福祉用具の普及・発展」の達成につながると期待されます。加えて、ユーザーの方々への情報発信、他の専門職団体との共同関係の構築、行政への働きかけなど、多角的なアプローチを行うことで、義肢装具をはじめとする福祉用具が、これを必要とするユーザーの方々へ適切な形で提供され、発展して行くものと考えております。

協会では今後も会員が一丸となり、義肢装具を通じた社会貢献を実現するために鋭意努力してまいります。

2013年4月吉日